Feature /高田谷将宏
Photo&Text/dai 
​今年の2月、かねてからお伺いしたかった高田谷将宏さんの窯へ伺う事が出来た。
高田谷さんの作品を初めて見たのは知人のギャラリーで、青い刷毛目、呉須刷毛目の鉢を一点気に入って買い、家で使っていた。
そのギャラリーに置いてあるなかでも、色もインパクトがあったのだが、その綺麗でてらいのないカーブにとても魅了されて購入したのを覚えている。
それからというもの、自宅での登場回数も高く、陶芸雑誌にピックアップして紹介したり、友人に、こういう陶芸家がいるんだよと作品を見せたりしていた。
ほどなくして、あるきっかけで紹介され知り合うのだが、ワイルドな風貌に独特の丁寧さは人間味が醸し出されており、やはり作家さんなのだなと感じたのが第一印象だった。
唐津出身で、唐津を専門に扱っている僕はこの轆轤に惹かれていて、なぜかというと
それは韓国の焼物をベースにして左右比対称の、おおらかなカーブと、目跡の付け方、雰囲気の出し方など、今の唐津の作家が見ている韓国の焼物をまた別角度から、別の地域で独自の作品として消化しようとしているのが見えたからである。
同じルーツのものが、人と環境と風土によってこんなにも違い、こんなにも似ているものになるという事は改めて焼物は面白いジャンルだなと思わされる。
高田谷さんは現在、愛知県の常滑で作陶しており、一般的に急須で使用される常滑の土を荒さを残したまま使用している。
作行きの幅も広く、粉引から焼〆や、白磁、三島、刷毛目と日常のヘビーユーズに耐えうる食器から花器、また茶碗も最近は勢力的に取り組んでいる。
新しく​穴窯を使用し、そのやわらかな風合いと、高田谷さんの轆轤がマッチしたとてもよい作品を今回仕入れる事が出来たのは幸運だった。
轆轤場には、モディリアーニの有名な絵のポスターが土に汚れて飾られている。
「これ、前に住んでいた方が張っていたもので、自分も何となく気に入っているからそのままにしているんです」
​青い目に見つめられながら、轆轤を引いていて、その軽やかな感じがとても自分の感覚と合っているなと感じた。
どこか都会的な感覚と、李朝の無骨さ、繊細さを自身の作品に落とし込むセンスは、見た目では判断できないところでとても重要なポイントのように思う。
​一目見てなのか、使ってみてなのかは人それぞれだが、この感覚が共有できればもっと高田谷さんのうつわを楽しむ事が出来そうな気がしている。
​現代の生活空間で、うつわを何気なく置いた感じを写真に残したかったので、マンションの一室でも撮影してみた。
茶色い布と、黒い机があれば、高田谷さんのうつわはとても綺麗にみえ、余計な装飾や灯りもそれほど必要ない。
​そういうものが本来作品として力のあるものではないなと勝手に思っている。
現代の生活スタイルやデザインも簡略化に向かって、よりシンプルになっているので、この作品達が沢山の場所で、生き生きと使われる事も今後多くなると思う。
2018年の9月にGALERIE AZURで個展を予定しているので、ぜひ沢山の作品を皆様に見て頂き、楽しんで頂ければと思う。
高田谷将宏
1977 高知県に生まれる。
2009 愛知県立窯業高等専門技術校卒業
2014 常滑にて作陶