Feature /安洞雅彦 美濃御深井
Photo&Text/dai 

​御深井(おふけ)とは、尾張徳川家の名古屋城内にあった御庭焼、御深井焼から由来している。

​開窯は初代藩主徳川義直の代、寛永年間(1624-44)と言われている。

この窯で焼かれたやきものを御深井焼きと呼び、それに使用された透明性のある灰釉に近い釉薬を御深釉と呼んでいる。

​美濃でも寛永時代頃、灰を25%前後加えた透明性の高い長石釉のものが焼かれている。

それが名古屋城の御深井釉に似ているところから、美濃のものも御深井と呼ばれる。

​美濃ではすでに元和時代には焼かれており、美濃の方が先行していると思われ、これを美濃御深井と呼ぶ。

​この度、安洞さんは、地元である美濃の御深井に注目し、再現を試みた。

織部の流行が去り、徳川将軍家に茶の湯を指導した小堀遠州のきれい寂びの美意識に呼応したかの様な御深井は、

端正でいて上品な佇まいである

過度な装飾を行わず、静かである御深井の向付を安洞さんのエッセンスを加え現代に蘇らせた。

​オリジナルの御深井と検証しながら、細部に渡って拘った品々である。

その一つにやわらかな貫入がある。

きれいな型打ちの形状に、渋みのある貫入が入る事によってよりうつわに深みが出る。

​何度もその肌感に挑み、納得のできる安洞美濃御深井が誕生した。

​オリジナル御深井の陶片

​オリジナル御深井の陶片

​上がオリジナルの陶片、下が安洞作御深井向付

​今回の展示会ではこの御深井の向付だけで100客ほど出品を予定しており、圧巻の数の展示内容となる。

​一つずつ微妙に表情の違う、安洞美濃御深井を楽しんで頂ければと思う。

​「美濃 安洞雅彦 オリベ展」

​会期:2018年11月3日(土•祝)-11日(日)

会場:GALERIE AZUR 一番館東京店

​作家在廊日:11/3,4