Feature /山田 隆太郎
Photo&Text/dai 
​神奈川県 藤野に工房を構える山田隆太郎さん。あじゅーるでは、ここ一年、沢山作品が入荷し、またいろいろな人の手へ渡っていっています。
 
​作品の最初からの印象は、次に何が出来てくるかわからない、わくわく感。そして現代の空気感を洗練されたデザインで捉え、生活の中にとけ込む器。という感じ。
​以前、村木雄児さん(陶芸家)の窯焚きに伺った際、平松壯さん(陶芸家)に故 青木亮さんのお話を聞いたことを思い出しました。
「亡くなられてから、ここまで名前が残っている人もそういないんじゃないですか?僕はあんまり知らないけど、どういった人だったんですか?」
「なんかね、毎年西麻布の桃居で個展してて、僕はそのDMの写真を撮ってたんだけど、とにかく毎回ラインナップが違って、何が出て来るかわからない。みんなわくわくしてたっていうか。ほんと展示会が来るのがみんな楽しみだった。」
​この話と多少だぶって見えて、青木さんの窯をたまたま引き継いでる山田さんも、まさにそんな作家さんだと僕は思っています。
少しだけ、山田さんにお話を伺う事にしました。  2017年9月 神奈川県藤野にて
D :こんにちは、お久しぶりです。
山:どうも。
D:きのうの夜、山田さんにインタビューしようと突然思って。電車の中で聞く事考えようって思ったんですけど、よくわかんなくて、もう話ながらでいいかなって思って。
山:あぁ、ほんとに、急に喋りずらくなるな。
D:少しずつでもいいから、作家さんの本音というか技法とか、何に影響されたとかも聞きたいですけど、普通の会話をしてる時の方が人間味あっていいかなって思ったんです。作られたインタビューみたいな感じじゃなくて。
山:そういえば昔、山口智子さんからインタビューされたことあったなぁ、中目黒に山口さんのお店があって、そこに内田鋼一さんの器と一緒に並べられてるっていう。
D:へぇー
D:ところで、山田さん焼物好きですか?
山:焼物やってるから、好きなんじゃない?
 
D:まぁ、そうですよね

D:粉引って山田さんの作品に多いですよね

 

山:多いね

 

D:バリエーション的に、粉引と、鉄彩ってイメージカラーですかね。

 

山:最初に粉引に憧れて初めて、そっから段々、李朝の粉青沙器の方に降りていくんだけど、やっぱりベースは李朝というか、朝鮮の焼き物なんだと思うんだけどね。

 

山:それが一番見やすい時代に生まれたっていうのもあるし、焼き物始めた時にね。

 

 

D:そうですかね。

山:だって、初めて好きになった陶芸家って、黒田泰三さんと、花岡隆さんだったから

 

D:へぇ〜

 

山:2000年代にはじめた割と平均的な、影響されるだろうなってところから始まってる

 

山:ちょっとおしゃれで、土っけがあって、黒田さんもベースは李朝の白磁の部分もあったりするし

 

 

D:轆轤場のとこに、「三好」の茶碗の写真が張ってありましたよね。

 

山:この前見たけどね、茶の湯展で

 

 

山:最初に入ったのは現代の作家で、掘っていくうちに三好の粉引とか、粉青沙器の方にたどり着いていった

 

山:順序が逆ではないんだけど手塚治虫の火の鳥みたいな動きかたしてるね、現代と過去みたいな

 

D:うーん(火の鳥をみたことがないのでわからない)

D:粉引って、やっぱり、いわゆる茶碗ていわれてるものが好きだったんですか?

 

山:いや、茶碗じゃなかったね、花岡さんとか茶碗作らないでしょ、

 なんか俺の出発は茶碗じゃなくて食器だったよ

 

 

D:そうなんですね、皿とか湯のみとか?

 

山:日常でよく使うものがこのクオリティで、なんかすごく美しく感じれたからその時に

山:その時多摩美のデザイン科にいて、インテリアを勉強してたのね。

商業空間とか家具とか

 

山:で、なんか生活空間にあるもので。自分一人でじっくり出来る物で、焼物教えてくれる人にも出会ってちょうどいいかなって思った。

 

D:じゃあ学生時代にもう就職するところっていうのは決まってたんですか?

 

山:いや、3年生の時に焼き物で彫刻作ってる人に出会って、その人が陶芸教室やるってことで、その手伝いから始まってるんだけど、

 

D:へぇー

 

 

山:4年になって就職するかどうか迷ってる時に、轆轤の上に紙おいて、三分割して、「就職」、「どっか海外に行く」、「陶芸」って、高速に回転させて、粘土をぺって落として、落ちた所で人生決めようと思った。

 

 

 

D:マジで、うけますね。

 

山:酔っぱらってたよ、もちろん。

 

山:で、陶芸のとこに粘土が落ちたんだよ   

 

だから、しょうがないからその通りに生きてる。

 

 

D:結果的によかったですか?

 

山:うーん、どうだろ、わかんないね、まだ、これからじゃない?

山:大くんの思ういい茶碗ってなに?

 

D:うーん、いい茶碗の定義ですか?

 

山:そう

 

D:おいしくお茶が呑める茶碗

 

山:そうか

 

 

D:おいしいんですよね、うん。

だから安南とか、前にお茶の先生がたててくれたんですけど、

たぶんお土産にもらったとか、そんな茶碗で。普通に買っても数十万もしないもので

 

 

山:そうね、安南だったらね

 

D:でもこれは本当にお茶飲むのにいいなぁって思いましたね。

器の雰囲気だったり、口当たりだったり。

 

 

山:やっぱりそれは使い手の目線だね

 

 

D:僕もまだわかんないですね。

山:その作家のやってたことの、先端にあるものが茶碗、かなぁ。

俺の今の粉引で、薪窯で、やってきた事の積み重ねの一番先っぽにあるのが今の茶碗かなぁって感じ。だからこれは俺にとって今の茶碗

 

山:まぁ使い手にとってそこはどうでも良い事で、ただサイドストーリー的に知ってたらちょっと面白いかもねって感じ。

 

D:なんか山田さんのイメージってこんな感じかも。

 あっちに置いてる、きれい系ともまたちょっと違うから、、

 

 

山:これは俺は半泥子を意識してたから。笑

 

D:この縁はわざと?

 

 

山:これはもう土のなりゆきで、最初から土の中に木屑がいっぱいはいってる土で、轆轤やってるうちにどんどん縁がわれていっちゃう。粘っこくない物質がそこにくると、破けて来る

 

 

D:これ帰ったあと欲しくなるんだろうなぁ

 

 

山:そう? じぁあぼちぼち、スタジオ藤野いってコーヒーでものみますか。

山田隆太郎 プロフィール

1984年 埼玉県生まれ
2007年 多摩美術大学環境デザイン学科修了
2010年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
     多治見市にて独立
2014年 神奈川県相模原市に移転
2017年 現在 同地にて作陶